肥満とは脂肪組織が過剰に蓄積した状態です。健康に問題がなければ、治療の必要はありませんが、過剰な脂肪の蓄積は様々な病気に近づいている状態とも言えます。肥満に伴って、健康を脅かす合併症がある場合、または合併症になるリスクが高い場合は「肥満症」と診断され、医学的な減量治療の対象となります。
肥満度
体格指数(BMI)=体重 (kg) ÷ 身長 (m)²
| BMI (kg/m2) | 判定 |
|---|---|
| 18.5 ≤ BMI < 25.0 | 普通体重 |
| 25.0 ≤ BMI < 30.0 | 肥満(1度) |
| 30.0 ≤ BMI < 35.0 | 肥満(2度) |
| 35.0 ≤ BMI < 40.0 | 肥満(3度) |
*BMIが22になる時の体重が、標準体重と定義され、最も病気になりにくい体重と考えられています。
マンジャロの作用機序と期待される効果
マンジャロは、2型糖尿病治療薬として開発された週1回投与の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬です。
GIPとGLP-1は、もともと体内にあるホルモンで、脳や脂肪細胞で、食欲や脂肪の代謝を調節する働きがあり、マンジャロにも同じ働きがあります。
マンジャロの投与により、中枢神経系における食欲調節(満腹感を高め、空腹感を抑える)および脂肪細胞における糖や脂質の代謝が亢進され、体重の減少が期待できます(効果には個人差があります)。特に食事・運動療法を行っても効果不十分な方でBMI35以上またはBMI27以上かつ高血圧・脂質異常症などのある方は、減量によって合併症のリスク低減も期待できます。
診療の流れ
1. 初診
まずは、医師とのカウンセリングを行い、以下の確認を行います。(過去の検診結果や他の病院の血液検査結果があれば持参して下さい)
- 現在の体重・BMI・健康状態
- 既往歴・服用中の薬
- 必要あれば、血液検査、尿検査(検査費用は別途かかります(自費診療))。(血糖値+HbA1cの採血の場合、1000円かかります)
- 治療の適応可否
治療が適していると判断された場合、マンジャロの投与計画を立てます。
2. 投与計画
- 初月は低用量(2.5 mg)のマンジャロを週1回決められた曜日に皮下注射を行います。初回は看護師が注射指導を行います。
- 1か月後に医師の再診を受け、問題なければマンジャロ 5 mgに増量します。2.5mg継続も可能です。
- 2か月後以降もマンジャロ 5 mgで維持しますが、投与期間や患者さんの状態に応じて、2.5㎎ずつ増量・減量あるいは投与の中止・再開を検討します。
3. 定期フォロー
- 4週ごとに医師の再診を受け、医師の指導のもと安全に治療を継続します。
- 体重の変化をモニターし、副作用がないことを確認します。
- 治療効果には個人差がありますが、通常は6か月から1年継続し治療効果をみていきます。それ以降も少量で維持することもあります。
- マンジャロ 2.5 mgはあくまで身体が慣れるための開始用量ですので、このままでは体重減量効果が十分に発揮できません。5 mg以上を維持することで真の減量効果が発揮されます。
- リバウンドせずに減量に成功するためには、マンジャロ治療中における生活習慣の改善(食事療法、運動療法)が極めて重要ですので、一緒に取り組んでいきましょう。
- まずは半年後に5~8 kg以上(7~10%前後)の減量を目標にしましょう。これまでの実績からは十分可能な数字です。
費用(税込み、診察料・注射指導料込み)
マンジャロ 2.5mg 2本10,000円 、4本18,000円
マンジャロ 5mg 2本18,000円、4本30,000円
マンジャロ 7.5mg 2本22,000円、4本42.000円
お支払い方法 現金またはクレジットカード
副作用と注意点
【マンジャロの主な副作用】
- 胃腸症状: 吐き気、嘔吐、下痢、便秘、腹痛など(特に投与初期や投与量を増やした時に多く見られます)
- その他: アレルギー反応(顔や喉の腫れ、呼吸困難、発疹など)、急性膵炎、低血糖(冷や汗、手の震えなど)、脱水症状、胆石・胆嚢炎、甲状腺がん、腎障害、うつ症状の悪化(気分の著しい落ち込みなど)、視力障害
- 注射部位の反応(赤み、腫れ、痛み)、倦怠感等
以上のような副作用が出た場合は速やかに医師にご相談ください。
【治療を受けられない方】
以下に当てはまる方は原則マンジャロの処方は出来ません。また、現在治療中の病気がある場合は主治医にご相談下さい。
□20歳未満、70歳以上の方
□BMIが25未満の方
□妊娠中・妊娠予定・授乳中・妊活中・産後3か月以内の方
□他のGLP-1製剤を使用している方
□手術の予定がある方
□糖尿病の方(糖尿病に対する処方は保険診療になります)
□糖尿病薬、甲状腺機能低下症薬、抗血栓薬(ワーファリンなど)、ピル(経口避妊薬)などを服用中の方
□急性膵炎・腸閉塞・甲状腺疾患の既往、重度の胃腸・心機能・腎機能・肝機能障害、透析療法を受けている方
□大きな腹部手術、腸閉塞の既往がある方
□うつ病・摂食障害などの精神疾患をお持ちの方
□低血糖を起こす可能性が高い以下の状態の方
栄養不良状態、食事摂取量の不足、不規則な食事摂取・長時間の激しい運動、過度のアルコール摂取者
□マンジャロの成分に対してアレルギーのある方
※上記に関して申告がない場合、または虚偽の申告の場合、生じた合併症に関し当院では一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
【注射の頻度と治療期間】
・週1回決められた曜日に皮下自己注射を行います。
・マンジャロの投与は週に1回、朝昼晩、食事に関係なく投与できます。同じ日であればいつ投与していただいても構いません。
【注射を打ち忘れたとき】
・打ち忘れた場合や予定通り打てない場合は以下をご参考にしてください。
・次回投与までの期間が3日間(72時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与する。
・次回投与までの期間が3日間(72時間)未満であれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。
【保管と取り扱い方法】
・凍結を避け、2〜8℃(冷蔵庫)で遮光して保管してください。冷蔵庫での保管をお勧めしますが、室温(30℃以下)で保存する場合は遮光して保管し、21日以内に使用してください。30℃を超える場所では保管しないでください。夏場は保冷バックのご持参をおすすめいたします。当院でのご用意はございません。
・2~8℃(冷蔵庫)で遮光保存する場合、使用期限は24ヵ月です。使用期限は外箱に印字されていますのでご確認ください。
・注射器は一部にガラスが使われていますので丁寧に扱って下さい。硬い床や地面に落としたときは新しい注射器をご使用下さい。
・お子様の手の届かないところに保管して下さい。
・灰色のキャップは直前に取り外して下さい。一度取り外したキャップは付け直すと針を破損させる原因になります。
【破棄方法】
・使用後は針が自動的に本体内に戻りますが、廃棄の際は、針に触れないようご注意ください。
・使用後は針に触れずに箱に戻し、お渡ししている袋に入れて次回の診察日にクリニックにご持参ください。一般ごみには捨てないでください。
・注射器以外のその他のごみは一般ごみで破棄してください。
注意事項や副作用、保管方法など詳しい内容は下記のURLからご覧になれます。
イーライリリー株式会社
https://jp.lilly.com/diabetes_consumer/usage-mounjaro
【注意事項】
・マンジャロは2型糖尿病治療薬としては国内承認済みですが、肥満症治療目的での使用は国内未承認(適応外使用)です。適応外使用の場合、医薬品副作用被害者救済制度等の補償対象外となります。マンジャロの副作用で万一健康被害が生じた場合は、当院では一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
治療をご希望の方は当院へお問い合わせください。